中央区 咲道税理士 災害損失引当金は経費(損金)になるか (法人)

 

Q.災害損失引当金(の繰入額)は、経費(損金)になりますか。


A.東日本大震災の災害損失に限り、一定の要件を満たすことで、災害損失特別勘定として経費になります。他の災害では経費になりません。

 


 

 税務上、経費(損金)は債務確定主義を採用しているため、貸倒引当金など特別に定められている引当金以外は、経費になりません。災害損失引当金(の繰入額)の別段の定めはありませんので、原則として経費になりません。

 

 ただし東日本大震災に限り、平成23年4月18日付けの法令解釈通達(費用通達)により、一定の要件を満たすことで、災害損失特別勘定として経費にすることができます。

 

 主な要件は、つぎの通りです。

 

 1 計上時期は、被災事業年度に限られます。
 2 災害損失特別勘定として原則、損金経理が必要です。
 3 法人税の確定申告書に明細書の添付が必要です。
 4 資産の評価損や修繕費用などの一定の費用の見積額に限られます。
 5 保険金、損害賠償金等で補填される金額は、費用から控除します。
 6 被災した翌事業年度に、原則的に戻入(益金)にする必要があります。

 

 会計上の災害損失に比べ、災害損失特別勘定として税務上の経費に認められる範囲は狭いので、注意が必要です。

 

 なお、3月決算法人で費用通達の公表時に、既に決算手続が終了しており、災害損失特別勘定の損金経理をできなかった等やむを得ない事情がある場合には、特例的に申告調整で損金算入して、経費として認められます。 

 

 災害損失引当金の経理会計仕訳の勘定科目は、借方「災害損失引当金繰入額」、貸方「災害損失引当金」がいいと思います。

 

 さらに詳しい解説は、「東日本大震災関係諸費用(震災損失特別勘定など)に関する法人税の取扱いに係る質疑応答事例」をご覧下さい。 

 

(参考条文)

 

平成23年4月18日 国税庁長官
東日本大震災に関する諸費用の法人税の取扱いについて(法令解釈通達)(抜粋)

 

(災害損失特別勘定への繰入額の損金算入)

 

2 法人が、災害のあった日の属する事業年度等(以下「被災事業年度等」という。)において、被災資産の修繕等のために要する費用の見積額として次の(1)又は(2)に掲げる金額のうちいずれか多い金額の合計額(当該被災資産に係る保険金、損害賠償金、補助金その他これらに類するもの(以下「保険金等」という。)により補填される金額がある場合には、当該金額の合計額を控除した残額)以下の金額を災害損失特別勘定として経理したときは、その災害損失特別勘定として経理した金額は、当該被災事業年度等の所得の金額(連結所得の金額を含む。以下同じ。)の計算上、損金の額に算入する。
 この場合、当該被災事業年度等の確定申告書等に災害損失特別勘定の損金算入に関する明細書(別紙様式1)を添付するものとする。
(1)被災資産(法人税法第33条第2項《資産の評価損の損金算入》の規定の適用を受けたものを除く。)の被災事業年度等終了の日における価額がその帳簿価額に満たない場合のその差額に相当する金額
(2)被災資産について、災害のあった日から1年を経過する日までに支出すると見込まれる次に掲げる費用(以下「修繕費用等」という。)の見積額(被災事業年度等終了の日の翌日以後に支出すると見込まれるものに限る。)
 イ 被災資産の取壊し又は除去のために要する費用
 ロ 被災資産の原状回復のために要する費用(被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用を含む。)
 ハ 土砂その他の障害物の除去に要する費用その他これらに類する費用
 ニ 被災資産の損壊又は価値の減少を防止するために要する費用
(注)1 法令の規定、地方公共団体の定めた復興計画等により、一定期間修繕等の工事に着手できないこととされている場合には、上記(2)の「災害のあった日から1年を経過する日」は、「修繕等の工事に着手できることとなる日から1年を経過する日」と読み替えることができる。
   2 上記(2)に掲げる金額により災害損失特別勘定に繰り入れる場合には、次のことに留意する。
   (1)法人税基本通達7−7−2《有姿除却》又は連結納税基本通達6−7−2《有姿除却》の適用を受けた資産については、上記イ及びハに掲げる費用に限り災害損失特別勘定の繰入れの対象とすることができる。
   (2)法人税法第33条第2項の規定により評価損を計上した資産については、上記ハ及びニに掲げる費用に限り災害損失特別勘定の繰入れの対象とすることができる。
   3 法人税法第72条第1項《仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等》に規定する期間(その期間のうちに災害のあった日を含む場合に限る。以下「被災中間期間」という。)について同項の規定を適用した同法第2条第30号に規定する中間申告書を提出する場合には、その被災中間期間において災害損失特別勘定に繰り入れることができることに留意する。
 同法第8条の20第1項《仮決算をした場合の連結中間申告書の記載事項等》に規定する期間(その期間のうちに災害のあった日を含む場合に限る。被災中間期間と併せて、以下「被災中間期間等」という。)について同項の規定を適用した同法第2条第31号の2に規定する連結中間申告書を提出する場合にも、同様とする。
 この場合、当該被災中間期間等の中間申告書又は連結中間申告書に災害損失特別勘定の損金算入に関する明細書(別紙様式1)を添付するものとする。
   4 上記(注)3により被災中間期間等において災害損失特別勘定に繰り入れた金額(以下「中間繰入額」という。)がある場合における被災事業年度等の災害損失特別勘定の繰入れに当たり、被災事業年度等の終了の日の翌日から災害のあった日から1年を経過する日までに支出すると見込まれる修繕費用等の見積額が中間繰入額から被災下半期(被災中間期間等の終了の日の翌日から被災事業年度等の終了の日までの期間をいう。以下同じ。)に修繕費用等として損金の額に算入した金額を控除した金額を超えるときには、その超える部分に相当する金額を繰入れの対象とすることができる。

 

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